【レジリエンス】社会人が2020年センター試験国語の第1問を解いてみた【SDGs】

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どうも!げんじです(。・ω・。)!

全国の受験生の皆様、1/18・19のセンター試験、お疲れ様でした。

今年はセンター試験最後の年とされ、来年からは共通テストへと移行するとのこと。

当方、諸事情でセンター試験とは長い付き合いだったこともあり、約6年ぶりに現代文でも解いてみようかなと、気まぐれに日経新聞を買いに行き1問だけ解いてみたところ、その第1問目が思ってたより今の時代をがっつりキャッチアップしてる題材で面白かったので、ブログのネタにしてみました。

ちなみに、今年の第1問目で題材となったのはこちらの本です。

境界の現象学 (河野 哲也(著))

今回、この本からセンター試験の問題として抜粋された文章で、一番のキーとなったのは レジリエンス という概念でした。

あまり聞きなれない言葉ですが、これからの時代を生き抜いていくにはなかなか大切な概念だと思うので、僕の解釈を交えて少し解説してみたいと思います。

目次

レジリエンスとは何か

まずは、本文に出ていたレジリエンスについての説明をいくつか引用します。

「レジリエンス(resilience)」とは、近年、さまざまな領域で言及されるようになった注目すべき概念である。この言葉は「攪乱(かくらん)を吸収し、基本的な機能と構造を保持し続けるシステムの能力」を意味する。

境界の現象学 (河野 哲也(著))より

エンジニアリングの分野では、レジリエンスは、環境の変化に対して自らを変化させて対応する柔軟性にきわめて近い性能として解釈される。

境界の現象学 (河野 哲也(著))より

レジリエンスは、複雑なシステムが、変化する環境のなかで自己を維持するために、環境との相互作用を連続的に変化させながら、環境に柔軟に適応していく過程のことである。

境界の現象学 (河野 哲也(著))より

要するに「レジリエンス」=「システムが環境の変化に対して、柔軟に適応しながら自己を維持していく能力」という事だと思います。

システムという言葉から連想されるものの大半はITや工場設備のようなものだと思いますが、人間を含む生命体もミクロな視点で見ると実によくできたシステムですね。

年功序列や定期昇給が廃止に向かい、税金も上がり、会社員だけの収入で生活するのがどんどん厳しくなっていくこの時代、本業だけに依存することなく、副業でも結果を出して収入源を分散させることに成功している人たちは、まさに柔軟に時代の流れをつかんで生命を維持する、このレジリエンス的な能力を身に着けていると言えるかもしれません。

どんなものだって必ず変化していくのが世の常です。

およそ800年前、平安末期から鎌倉時代を生きた鴨長明(かものちょうめい)も方丈記の中で、以下のように無常(=不変のものはないという概念)を唱えています。

よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。(原文)

(河の流れの)よどみに浮かんでいる水の泡は、一方では消えて無くなり、また一方では新しく生まれたりして、長い間そのままの状態でとどまっていることが無い。
この世に生きている人と、その人達が住んでいる場所もまた、この泡のように同じ状態を保つことはない。(ざっくり現代語訳)

この世界は変化こそが本質であるという事が言えますね。

伝統や歴史を守ることも大切ですが、やはり生き抜くためには過去の価値観は常に新しいものに更新し続けて、自分自身も変化に適応していくことが必須だという事になります。

”現状維持は衰退であり、変化こそが真の安定である。”

(自分が)変わらないという事は、それ自体がリスクなのです。

サスティナブルでレジリエンスな世界の実現を目指したSDGs

私がこの文章を読んでいて真っ先に思い浮かべたのはSDGsの事でした。

SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、エス ディー ジーズと発音します。

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年までに達成すべき人類共通の17の国際目標です。

どんな目標があるかというと、次の17個↓

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも 経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任 つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

これだけだと、ものすごくざっくりですね(。・ω・。)!?

↓もっと具体的に知りたい方はこちら

弱き者を切り捨てず、多様な価値観を認め、持続可能な社会を世界規模で実現していこうという事ですね。

現在はさまざまな企業や団体がこのSDGsの実現に向けて具体的な目標とアクションプランを立てて活動をしています。僕もこのSDGsは会社の研修で知りました。

大量生産・大量消費の時代を経て、ブラック労働や深刻な環境問題が社会の課題として顕在した現代において、それらを解決していこうとするSDGs、サスティナブル(持続可能な)、レジリエンスなどは、まさにこれからの時代を表すキーワードと言えますね。

まとめ

  1. 2015年から2030年に向けて世界はSDGs達成に向けて動き出している
  2. 僕は2019年に会社の研修などでSDGs、サスティナブル、レジリエンスについて知った
  3. 2020年のセンター試験国語でこのSDGsに関連するレジリエンスやサスティナブルといったキーワードが題材になった

これはまさに時事問題というやつですかね。

僕のように小手先のテクニックにばかり気をとられていた受験生にとっては突飛な新しい概念がでてきたと感じたかもしれませんが、時代の流れをちゃんとキャッチアップしている学生にとってはなじみ深い題材だったかもしれません。

そしてSDGs、サスティナブル、レジリエンスは一見するとスケールの大きいもの、自分には関係のないものに感じるかもしれませんが、これらの概念自体は個人が生活を営む上でもかなり大切な考え方だと、私は思っています。

なぜならば、変化の激しい現代を生き抜くためには、たとえ今やっていることで稼げなくなっても、常に向上心をもって新しい事を学び続けて、色々な仕事に挑戦していかなければならないし、そのベースとなるのは健康状態の維持であるからです。

まさに持続可能で柔軟な生き方が試される時代と言えるでしょう。

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この記事を書いた人

6浪したり、フリーターだったり、文系なのにガリレオに憧れて物理を独学してみたり、紆余曲折を経て会社員になった、中二病が治らない30代。「やりたいことが分からない」が分からない。いつも「かっこいい!」と感じる何かに突き動かされて多忙な毎日を送る。

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